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636の備忘録

備忘録 印象深い日々の出来事や、気付き等を記す

本の感想「オー・マイ・ガアッ!」

●本のあらすじ
浅田次郎著。ラスベガスのカジノを舞台に繰り広げられるドタバタ痛快ギャグ兼異文化交流兼ヒューマンドラマ。
3人の主人公を中心に物語は繰り広げられ、皆が人生に大いなる挫折をし、絶望を目の前にしている状況の中、ラスベガスで「人生を変えたい」と夢を見る。彼らの人生は、たまたま同じスロット台に隣同士で並んだことから交差し始め、やがて物語はラスベガス、ひいてはアメリカ国防長官やアラブ石油王まで巻き込む一大事と進展する。

●本の感想
この本は非常に面白く、ゆっくり読み進めるつもりが一気に最後まで読んでしまった。中島らもに続く大好きな作者になりそう。
ただ読み終えて少し日にちが経ってしまい、記憶が曖昧になってきてしまった。今思い出せる中でお気に入りな点は

1) 作者の好みや主張が存分に全面に出ていること
私は作中に作者の人間臭さや意見が感じられる作品が好きなのだが、この本はドップリと浅田さんのラスベガスへの愛が溢れている。浅田さん自身、自分は旅行代理店の回し者ではないが…と断りを入れているほど、ラスベガスがどれほど人間関係に疲弊した日本人にとって魅力的な場所であり、かつそれほど高額の値段を使わず、短時間で楽しめるのかを語っている。この本を読了してラスベガスに興味を持たないひとは間違いなくいない。実際私もすぐに周りの人にラスベガスの素晴らしさを語り始めている。

2) 物語の構成・ラスベガス文化の描写の質の高さ
伏線の回収やギャグセンスの高さ等は素晴らしく、加えてラスベガスの文化が非常にうまく描かれている。
ラスベガスがつくられた経緯や、経済の生態系解説、サービス精神などニュースや観光本では絶対に分からない、ラスベガスホリックな作者だからこそ描けるものが満載である。
特にお気に入りの文書は、これはラスベガスに限った話ではなくアメリカ全土に言える話のようだが、「アメリカには勝ちしかない。勝つか、それ以外だ。」この一節。
むやみに勝ち負けを決める必要なんか無いんじゃない?という意見が市民権を得ている日本においては全く考えられない発想だなと驚いた。
と同時に自分の価値観はやはり日本国内でガラパゴス化していることへの悲しさに浸り、もっと世界を知りたいと切に思った。今年から社会人になるが国外への出張・転勤は意欲的に所望しなければ。

何はともあれ、総じて面白い本だった。
そんなに真剣にならなくても、概ねギャグ小説の心積もりで読み進められるので、暇潰しとしてサクッと読むのに最適なkindleで買って正解だった。
(私の稚拙な頭では、城山三郎などの重い内容や、哲学などの難しい内容の本はペーパーブックで読まないと、頭に入らないため)