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636の備忘録

備忘録 印象深い日々の出来事や、気付き等を記す

本の感想「私の嫌いな10の言葉」

読書

中島義道

●概略

ドイツ哲学者である著者が、日本社会で圧倒的市民権を得ている10の言葉について、いかにその言葉を嫌っているかを一方的に語る本。

(以下本中で批判される言葉たち)

「相手の気持ちを考えろよ! 人間はひとりで生きてるんじゃない。こんな大事なことは、おまえのためを思って言ってるんだ。依怙地にならないで素直になれよ。相手に一度頭を下げれば済むじゃないか! 弁解するな。おまえが言い訳すると、みんなが厭な気分になるぞ」。

 

●感想

著者流のトンデモ理論(屁理屈)で、誰もが一日一度は言ったり聞いたりしているであろう言葉を徹底的に批判していく様が痛快。

この痛快さには2種類あって、1種類目は著者への共感。

特に小中高と接してきた先生方に感じてきた彼らの横暴さ、不遜な態度をいみじくも指摘しており、「よくぞ言ってくれた!」とスカッとした。

2種類目は、一方で私は大学の部活においては、正にこの本であげられていた言葉を用いて、暴力的に主張を通そうとしたり、他者を動かそうとしたりしていたため、「おっしゃる通りでございます…」と胸にグサグサ槍を刺された。

 

また、日本社会の事なかれ主義が「最大多数の最大幸福」的考えの下で機能する一方で、どれだけの個を殺しているのか。

このことを、私は公立小中高生活で(特に管理教育のメッカと言われる地域だから尚更)強く憤っていたけれど、もはや遠い記憶。中学くらいまでは憤然と怒っていけれど、だんだん年をとるにつれて、その憤りにかけるエネルギーを別のところで昇華した方がいいやと考え、事なかれ主義構成員の一員として、うまく振る舞うようになっていった。

その点中島さんは、孫がいてもおかしくない年齢で未だにここまで憤っているなんて、なんてエネルギッシュな方なんだと感嘆する。友達にいたらめちゃめちゃ疲れそうだけど…

 

丁度、家庭教師のバイトで中3の生徒から、受験校選択をめぐる先生とのやり取りを聞いて、自分の思春期の嫌な先生との記憶引き出されたりして、自分の子供が生まれたときは自主性を重んじる自由な校風の学校を選びたいなと思った。