本の感想「自分の小さな「箱」から脱出する方法」
リーダーシップを身につけるための啓発本。テーマは「自己欺瞞(=Self-Deception)」。
大学時代に後輩から薦められて読んで、当時は内容が自分にぴったり当てはまり、大きな衝撃を受けたことを覚えている。これまでの自分の思考を本によって否定されて、あまりの衝撃で読み進めるのが辛くて、もっと先まで読みたいのに、敢えて日を分割して、少しずつ読み進めることにしてた。
自分にとってはバイブルのようなもの。
会社に入って、プロジェクトマネジャーの部署に配属されて、「この組織は、、、何て自己欺瞞に溢れてるんだ…!!!」と驚いてから、はや2年が過ぎた。そろそろ自分も自己欺瞞の組織に染まってきたかなーと危惧を抱いたので、再度読み直した。
◼️本の感想
そもそも、「自己欺瞞(=Self-Deception)」ってなんだっけ?言葉の理解が曖昧だったので、改めて調べ直した。
・自己欺瞞
・Self-Deception
なるほど、心当たりがありすぎる。
また、youtubeに本のサマリをスライド1ページで説明している動画があって、分かりやすかった。おさらいしたい時に使えそう。
約4年前にも、同じ本をじっくり読んでいたし、何ならノートにポイントをまとめてたので、今回読み直して真新しい発見は特になかった。
けれど、プロジェクトマネジャーとして働き、リーダーの立場で周りを推進していく中で、傲慢になってしまいがちな自分に対して、改めて一番大事で基礎的なことを意識し返す機会になった。
例えば
「他の人を、人間として尊重すること。「障害」「敵」「もの」として視ないこと」
「課題の解決に向けて、"他の人がどう動けば良いのか"ではなく"自分に何ができるか"の視点で考えること」
「自分を正当化しようとしている時は、認識が歪み、相手の欠点を大げさに捉えて、自分の価値を大げさに捉えてしまうことを自覚すること」
などなど。
よくHRの研修等で「とある課題がある。その課題に対して、否定的な見方を持つ人もいるし、前向きな見方を持つ人もいる。自分の意識次第で様々な見方ができるよ。さらに、見方を変えれば行動も変わってくるよ。前向きな見方を持って、前向きな行動をして、仕事の成果をあげよう!」という事を言われるけど
たいていの人って、それに対して同調しつつも
「そんなことは分かってるけど現実的でない」「前向きな見方を持とうとしてるけど、余りにも周りの人のパフォーマンスが低くて、継続できない」等の否定的な意見も、同時に考えてしまうと思う。私もその1人である。
この本では、じゃあ「具体的に」「どうすれば」見方を変えられるの?という疑問に対しての1つの答えを記載してる。
本を読んでる最中は、実践できてない自分が情けなくて、周りの人に対して申し訳ない気持ちに苛まれるけれど、読み終えると、明日に向けて前向きな気持ちが溢れてくる。
そんな本だ。
年次が進むにつれて、より業務内容における「マネジメント」の比率が高まってくるので、常にこの初心を忘れずに、仕事に取り組みたい。
連休明けの仕事もがんばろう。
3年目の夏の所感
今の会社に新卒で入って、はや3年目に突入した。入社時から現時点までの自身の成長・今後の展望を、整理しておく。
①入社時から現時点までの成長
[定量的な指標]
・中級レベルの技術資格の取得完了(入社時はほぼ知識ゼロ)
・TOEIC940点(入社時は約800点)
・5000万以下の規模PJ・グローバルPJで、プロジェクトマネジャー担当
[定性的な指標]
・ベンダや現地法人等と協力し、プロジェクトマネジャーとして、自分が主体となってPJを推進する経験を積んだ
・自身でシステム設計・試験・構築する経験を積んだ
②今後の展望
[定量的な指標]
・今年度内に、他分野の技術資格で中級レベルのものを取得する
・来年度(= 2019年度) 内に、海外赴任をする
[定性的な指標]
・構築を担当するプロジェクトマネジャーだけでなく、営業やコンサルのようにお客様の経営課題の深掘り=>ソリューションの提案も経験する
・セキュリティやサーバ、AI分野のPJを担当する
プライベートの面では、今年度の下半期(=10月)からGOLD GYMに通いたい。
そのためにこの夏に最低限のボディメイクと、ウェアの調達を完了させる。
(正直、仕事面よりもこちらの方が難易度が高い…。モチベーションを維持するために会社のスケジューラーに入れておこうか。)
本の感想「NTT 30年目の決断」
○概要
作中では、2015年に民営化30周年を迎えたNTTが、目まぐるしく変化する市場環境に合わせて、新領域への参入・グループの再編・社会への提供価値の変更 等にどのように取り組んできたのかを解説している。
○感想
NTTについての記載だけでなく、市場の動向や、国政や競合他社の行動についても触れているため、就活の業界研究・企業研究に丁度良い本だと思う。実際読んでみて、各事業会社の違いや持ち株会社の役割について理解が深まった。
私が興味あった部分はNTTのグローバル展開の現状・展望だったため、その部分について簡単にまとめてみる。
・Dimension Dataの位置づけは?⇒DD(=Dimension Data)は、2010年にNTTコミュニケーションズが買収した会社で、南アフリカに拠点を置く企業でNW・DC・Securityに強い、NTTコミュニケーションズと似たような事業内容の会社。顧客基盤がしっかりしているため、グローバル展開を急ぐNTTにとっては最適な会社であった。DDのビジネスに対し、NTTデータは上位レイヤーで、NTTComはクラウドやセキュリティで協働してゆく。
・R&Dの投資先⇒研究開発拠点として、カリフォルニアに「NTT I3」を設置。「Cloud」「Security」「SDN」を重点的に取り組んでいる。この部分でリードができれば、料金競争で他社に勝つことはできない。
・NTTデータの進出状況⇒もともとは海外ではNTTブランド名が通用せず、土俵にも上がれない状態であったが、積極的なM&Aによる規模の拡大によりRFPを提案する機会が増えた。実際にダイムラー社やヤム・ブランズ社で大型案件を獲得している。2020年には海外売上一兆円・海外売上比率を50%以上という目標を掲げている。
・NTTコミュニケーションズの進出状況⇒これまでに地域間で異なっていたサービスやオペレーションを統合する「ファクトリー・モデル」を進めており、クラウド系はインドのネットマジックと、ネットワーク系はアメリカのバーテラと協業している。
・リージョンごとの分析⇒アジアではプレゼンスを発揮しているが、最も通信業界でホットな北米でのプレゼンスは低い。そのために補強すべき課題は「コンサル力の強化」「BPOから入って、経営戦略に直結する案件の獲得」であり、ライバル(IBMやアクセンチュア)と戦っていくために必須である。今後下位レイヤーは土管化し料金が下がることが確実でありセキュリティも儲からないと言われている。
参考になったのはこんなところ。すごい粗いまとめ方だけど終わり。
本の感想「なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?」
○概要
著者は吉田典生という方で、ビジネスリーダーへのコーチングや組織の継続的発展を促すコンサルに従事している。
この吉田さんが、自身の業務経験を通じて得た「(プレイヤーとして高い成果をあげる)できる人」が必ずしも「(マネジャーとして部下を育てる)できる上司」には成長しない理由、そしてこの課題を乗り越えるノウハウ がまとめらている。
この本に出合ったきっかけは、社会人1年目の友人に薦められたため。
その友人は少数精鋭のベンチャー企業に勤めており、「できる人」として上司に評価され他の同期新入社員たちのマネジメント業務さえも任されているのだが、マネジメントが上手くいかず悩んでおり、この本を手に取ったとのことだった。
私自身は、勤め先がいわゆる日系大手で「入社3年間は同期の人事評価は横並び」という環境にあり、マネジャーよりもプレイヤーとしての実務経験・成長が望まれる段階ではあるが、その後年次を重ねた際の人事評価ではマネジメント能力が実務能力よりも重く評価されていくようになることと
それに加えて、学生時代に部活のマネジメントで考えあぐね 納得いく成果を出してこれなかったので、この本を通じて「上司のマネジメント業務の観察・評価」と「部活でのマネジメント失敗の分析」をしたいと思って読んでみた。
○感想
作中に書いてあることは真新しいことでは無く、「相手(部下)の立場に立って考えることが大切である」ことが繰り返し説明されている。
本の主張の流れは
・「できる人」の思考回路と「できない人」の思考回路は大きく異なるので、部下の立場に立って考えているつもりでも、見当違いの教育になっていることが多い
・(特に日系の)企業は、人事評価において「マネジメント能力」を重く評価するので、自分と向き合ってこの課題を改善しないと「(プレイヤーとしての)できる人」は、あっという間に「(部下の育成が)できない人」として認定されてしまう
・さらに、IT等の変化が激しい業界においては、たとえ技術職であっても、ずっと「(プレイヤーとしての)できる人」で在り続けることは困難であり、後続の若手に抜かされてしまう可能性が非常に高い。事務系職種では尚更である
こういった流れである。
その中でこの本が参考になった点は、「できない上司」が何故人を育てられないのか?このまま「できない上司」のままでいると、キャリアにどう影響が出るのか?を、事細かに記述している点だった。この本を読んで現状が改善するかはその人次第だが、少なくとも自分を省みて、危機感を持たされることは間違いない。
本の感想「ハダカデバネズミー女王・兵隊・ふとん係」
○概要
ハダカデバネズミの生態が描かれている本。
珍妙な容貌のこのネズミは、外見だけでなく暮らし方も独特であり、1つの群れの中に女王・王様・兵隊・ふとん係と明確な階級が存在している。
著者はハダカデバネズミの研究者として、ハダカデバネズミを実際に飼育し、そこから得られた知見が紹介されている。
○感想
めちゃめちゃ面白い本だった。ハダカデバネズミの大きさはハムスター程度の小さな生物なのに関わらず、高度な社会体系を築いて生活していることに驚かされた。
哺乳類で唯一「真社会性」を持つ種であり、女王のみが子孫を残すことができる。「個」の遺伝子の生存よりも「種」の遺伝子の生存を重んじて行動するよう、プログラムされているなんて、感情を持つ生物には酷なシステムだなと思う。
また、階級が上の個体ほどより多くのストレスを感じているという研究結果も興味深かった。ハダカデバネズミの階級は後天的に決定されるものであり、個体の実力によって変動するのだが、立場が上になるほど悩みが多くなるとは、人間と似通っている。
人間の仕事も、非創造的で定型的な仕事は、報酬は少ないけれどその仕事を遂行することに対して掛かるストレスは軽いものが多い。一方で創造的で非定型的な仕事は、もらえる報酬は多いが、いろいろなスキル(ロジカルシンキングやコミュニケーション等)が求められるため、結果としてストレスの負荷も高くなる。
ちっぽけでグロテスクなこのネズミに共感する部分は、他にもいくつかあって、この本を通じてハダカデバネズミのことをもっと好きになった。
ここ一か月ほどは資格の本ばかり読んでいて、興味ある分野の読書が進んでいない…まだ社会一年目だから今は知識をためるべき時期で、読書よりも勉強を優先するのは当然だけど、時間の使い方を工夫して読書の時間を増やしたい。
本の感想「宇宙飛行士選抜試験」
○概要
NHKで放送された宇宙飛行士選抜試験ドキュメントを書籍化したもの。
最終試験まで残った応募者たちの、子供の頃から持ち続けた宇宙飛行士への想いを紹介し、彼らの半生や具体的な試験内容とともに、宇宙飛行士という人類の英雄に選ばれる人は、どのような基準で、どのような人物なのかが描かれる。
宇宙兄弟で取り上げられた試験内容・選抜基準等が多々登場するため、宇宙兄弟を読んだことある人は、都度ムッタやセリカさんを思い出しながら、わくわく読み進められる。
○感想
しばらく読書から離れていたけれど、夏休みに入って時間がたっぷりあったのと、上長からお薦めの本として貸していただいたので、読んでみた。
とても面白い本だった。
やはり読書は純粋に楽しいし、それだけでなく、登場人物に刺激されて新鮮な気持ちになったり、自分を省みるきっかけとなったりと、単純な楽しさだけでなく今後に活きるものを得られるな~と、改めて実感した。
この本では、人類のヒーローである宇宙飛行士に選ばれる人とは、どのような人物なのか?が最終試験まで残った一人ひとりにスポットを当てて描かれている。
だが、その宇宙飛行士に相応しい人物の条件というのは、宇宙飛行士に限らず、どんな職種においても、組織の中で活躍するために求められる普遍的なものだと感じた。
例えば、何か自分の特技・経験で業務で活かせること(=強み)を持っていることや、状況に応じてリーダーシップ・フォロワーシップどちらも対応できること、宇宙飛行士になる本当の覚悟を持っていること等…
自分の勤める会社、関わる業務、担うポジションに当てはめながら、私は甘いな~頑張らないとな~と再実感した。
本を読んで自分が得られた学びは、リーダーシップとフォロワーシップについてだった。
自分は会社において「新入社員だから」とか、「まだ知識が無いから」という理由でフォロワーシップさえ果たしていればいいだろう、と思って取り組んでいたけれど、それでは全く不十分だったなと反省した。
チームで活動する以上は、自分がリーダーシップをとるべき場面か?もしくはフォロワーシップをとるべきか?どうすればチームのパフォーマンスを上げられるか?という意識を持った上で行動する必要があるのだと感じた。
(この学びは、極当たり前のことで、今更気づいたのか…という情けなさも同時に感じた。大学の部活をしていた時には意識できていたことだけど、社会人になってからいつの間にか新人という肩書に甘えてしまっているな、と反省…。)
また、これから成長してから改めてこの本を読んだら、その時には別の学び・気づきがあると思うので
後々再度読んでみたい。
どんな仕事をしている人も共感できる内容で、マネージャー・新人どんな立場でも当てはまる内容で、かつ宇宙飛行士に興味ない人ってあまりいないと思うから
幅広い人におすすめした本だなと感じた。
本の感想「ヤバい統計学」
○概要
10の事例をもとに、統計学の考え方や実社会への活用方法、統計学の課題等を解説してくれている本。
5年前に教養のために統計学のことを知りたいと思い、本のタイトル「ヤバい」に惹かれて面白そうと買ったけれど、読み始めてみると特に「ヤバい」と感じる内容では無く、飽きて途中で読むのをやめてしまっていた本。
引っ越しを機に本を整理している中で久しぶりに目に留まったので、読み返してみた。
○感想
5年ぶりに読んでみて、やはり「ヤバい」とは思わなかった。
本の内容は、統計学の簡単な入門書の中のさらに取っ付きやすい部分を抜き出してくれたようなもので、面白くサクサク読みながら統計学とは何たるかを学べる本。
このタイトルって確かにキャッチーだけど、内容とのかい離が大きくてあまり相応しくないのではないかな…原題は「NUMBERS RULE YOUR WORLD」なのだし、原題に沿ったもう少し真面目なタイトルの方がよさそう。例えば「入門 身の回りで役立つ統計学」とか。
10の事例はすべて面白くて、日々の会話の中でこういった知識を織り交ぜながら話したいな~と思う。
特にディズニーランドと交通渋滞の事例から知った
「待ち時間を減らすためには、実際の物理的な時間削減だけではなく人が知覚する時間削減も考慮して取り組まなければ、実社会での効果はあげにくい」
という教訓はすごく共感して、例えばエレベーターの待ち時間はたった数十秒なのにイライラしてしまうけど、エレベーターホールに鏡があるだけで、前髪チェック等をしながら待ちを意識しなくなるという工夫にも、この教訓は活用されてるな~と思った。
友達と遊んでいるときやデートしている間に待ち時間が生じたとき、この教訓の話をして、
「じゃあしりとりでもして知覚待ち時間を減らしたら、あっという間だね」
みたいな会話ができればな~なんて思いながら読み進めた。
教養のための本としては非常に有用で面白かったのでほかの人にも是非薦めたい。