本の感想「いつまでもショパン」
●概要
中山七里著のクラシック音楽ミステリー。
ただ、ミステリーと言ってもこの物語の主題は謎解きや殺人ではなく、「ショパンの音楽の美しさ」、また「ショパンコンクールを通じて描かれる青年の成長」といったところがメインである。
音楽の描写が非常に美しいので、youtubeで実際に登場人物が奏でる音楽を聴きながら読み進めるとよりイメージが具体的になり楽しいのではないかと思う。
●感想
ショパコンに関する漫画はピアノの森以来だけれど、「ポーランドのショパン」ってどんなショパンなのか、ますます気になる…。一度ワルシャワに行ってコンサートを聴きたいなあ…。
ストーリーは面白かったけれど、二度目読みたいとまでは思わないかな、という印象。
頭を使わずに読めるので、待ち時間の暇つぶし等にちょうどよさそう。新幹線の乗り口近くの本屋に置いてあったら適当だと思う。
「具体的」に「定量的」に思考し実践する
会社の新入社員研修を終え、明日から本配属の部署に出勤する。とうとう本格的に仕事が始まる。ということで、自分のこだわりについて、ブログを利用して意識付けをおこなっておく。業務に忙殺され忘れてしまわないように。
自分のこだわりは「具体的」に「定量的」に思考し実践すること。
PDCAサイクルを今後の社会人生活の中で回し続けていくことになるが、4つのプロセス全てにおいて、形容詞等のボンヤリとした言葉(例:「しっかり」「頑張る」)を使わずに、明確な数値に基づいて取り組んでいきたい。
何故なら、私はずる賢く怠け者であるため、ボンヤリとした行動目標を掲げてしまうと、自分をごまかして何となく目標を達成した気分を演出し、だらけてしまうため。
できるだけすべての目標を具体的に、定量的な指標に落とし込み、それらの達成度も数値で評価し、未達成の目標に対する対応策もひたすら具体的に、定量的に示す。
また、もう一つの理由として、自分の取り組みを正しく周りに発信する目的もある。
部活の経験から、他部門の人に自分たちの取り組み・自分たちの意思を伝えることの難しさを実感してきた。理解をしてもらえないと、協力を引き出すことができず、人を巻き込み物事を成し遂げることができなくなってしまう経験が何度もあった。
よって、相互理解を深めるためには具体的に定量的に、相手に理解してもらえる情報発信を心がけることが大切だと思う。
会社においても恐らく共通のことが言えて、例えば以下のような状況で役立つはず。
・上長に自分の取り組みを正当に評価してもらう
・チームメンバーの取り組み状況を正確に把握し、プロジェクトを円滑に進める
・お客様にプロジェクトの状況を理解いただき信頼していただく
すぐに逃げたくなる自分を戒め、成長するために、このこだわりは常に心のど真ん中に置いておく。
数か月後、もしくは一年後の自分がこの記事を読んで恥ずかしい気持ちに襲われないよう、自分をごまかさずに真摯に仕事に取り組む!
本の感想「火車」
●概要
宮部みゆき著のミステリー。超有名な本なのであらすじは省略する。
●感想
物語の終わり方が宮部みゆきらしい一冊だった。
ウェイトトレーニングのインターバルに読み進めていたため、一週間に数回と飛び飛びになってしまったが、ちょうどよいボリューム・話の複雑さであり、話についていけなくなることも無く、十分楽しめた。
また、私にとっては生まれた時から当たり前に存在していたクレジットカードという存在について、改めてそれが社会に与えた影響等を意識するきっかけを得たことは新鮮に感じられた。
最近は技術書ばかり読んでいて、小説や教養本と離れてしまっていたが、やはりこちらの本のほうが楽しい。ブックオフのGWセールで気になっていた本をゲットできたので、トレーニング時間に楽しもう。
本の感想「入社1年目の教科書」
●概要
社会人としての心構えを説明した本。ライフネット生命社長の岩瀬大輔さんが書いたもの。
同社の共同経営者の出口治明さんの本(世界史)も面白くて、いつか岩瀬さんの本も読みたいと思っていた。
●感想
周りの人から何度もお薦めされたので買ってみたが、買ってよかったなと思う。
文書は分かり易く書かれているので読みやすい。また、内容についても納得・共感し勉強になるものだった。
というのも、これまでの集団生活の中での失敗や、尊敬する先輩の行動等を振り返りながら読んでいくと、「うんうん、そうだよな、こういうことは仕事においても同じなんだな…」と通ずるものが多かった。例えば、「挨拶は元気に大きい声で」とか「相手との距離を見誤らない(=たとえ年下でも不用意にタメ口で話さない)」だとか。
一方で、これまでの部活や研究とは違う、仕事の流儀について新たな発見もあった。例えば、「仕事は総力戦」というもの。これは、仕事はチームの総力戦でやるのものなので、自力で100点を目指すのではなく、最初は50点でもいち早く素案を提出し、周りのソースを総動員して100点を目指せ!という意図の言葉。
部活では時間に余裕があったので、一つ一つにじっくり取り組んで、自力でできるだけ高い得点を目指していたけれど、その進め方では仕事を回すのは難しいかもしれない、ということだと思う。
本当に参考になったので、特に自分が苦手な項目については手帳にまとめてみた。
また4月を迎えてからも読み直して、改善できているかチェックする。
シャチのコミュニケーションと諸々
先日、私の大好きな生物の一つである、海の王者・シャチのコミュニケーションに関する講演を聞く機会があった。
もともと哺乳類が好きで、小さい頃から図鑑を図書館で読み耽ったり、誕生日プレゼントは犬の生態解説書だったりと、哺乳類オタクの私にとってすごく面白かった。最近は気の合う哺乳類好きの友人ができたので、彼にこの講演の知識を披露すべく、話を整理しておく。
他にもオオカミやユキヒョウやハダカデバネズミについて今後まとめよう。
1.シャチとは?
シャチとは、クジラ類のハクジラ亜目に属する種の1つである。
クジラ類は「ハクジラ亜目」と「ヒゲクジラ亜目」に分かれるのだが、後者の「ヒゲクジラ」は私たちがクジラと聞いてイメージする「大きくて、オキアミをいっぱい食べる心優しい?クジラ」を指す。例えば、シロナガスクジラやザトウクジラ。
一方で「ハクジラ」とは、イルカやシャチが代表的で、ヒゲクジラがヒゲでオキアミを食べるのに対して、ハクジラは名前の通り"歯"を持ち、魚やアザラシを主食とする。
このハクジラの中で、大人になると体長9mにも及ぶ巨体に成長し、非常に高い頭脳を持ち、複雑なコミュニケーションを実践する種こそ、シャチである。
2.シャチの生態 ― 家族
シャチは血縁の繋がりが非常に強い。メスは一生を自分が生まれた群れの中で過ごし、オスは他の群れのメスと出会うために群れから離れ出張するものの、任務を果たせばまた元の群れに戻り、家族と過ごす。つまり、群れのメンバーは皆が濃い血縁関係を持っている。そのため、シャチの遺伝子には多様性があまり無いらしい。
交尾は同じグループ内のオスとメスではおこなわれず、出張中のオスが別のグループと遭遇したときにおこなわれる。
子育てはグループで協力しておこなわれる。子供は母の言葉を真似して発声の練習をし、群れの他の大人たちにも教えてもらいながら、何年もかけて一人前に鳴けるようになる。
3.シャチの生態 ― 狩り
シャチは非常に知能が高く社会的な生物であるため、狩りの方法にも複数の種類がある。代表的なものが「シャチの弁当持ち」、「追跡型」、「オルカ・アタック」の3つ。
「シャチの弁当持ち」は、獲物の四方を並走(並泳)しながら囲み、機を合わせて一斉に襲うという手法。この手法において、獲物となるミンククジラ等はシャチに囲まれた恐ろしさで縮み上がってしまい、逃げ出そうともしない場合があるらしい。
「追跡型」は、サバンナでチーターが獲物を全速力で追いかける狩りを、そのまま海中で実践した形。時速50kmくらいで泳げるそうで、オス数頭で追いかけることが多いらしい。
「オルカ・アタック」は、氷上のアザラシに対する手法。数頭でタイミングを合わせて動くことで大きな波をつくり、その波で海上の氷を傾けて、アザラシを海に落とすというもの。
また、子供に狩りの練習をさせるために、とどめを刺す手前で攻撃の手を緩める習性があることも広く知られている。(獲物にとってはいたぶられる様なもの)
4.シャチのコミュニケーション
上述したように、シャチのコミュニケーションは非常に高度である。その高度なやり取りを実現するために活用されているのが”声”である。
何故なら、海中では音波が陸上よりも速く伝わり、一方で陸上よりも視覚が鈍ることから、声によるコミュニケーションが有効であるためだ。
イルカと同じく、目的に応じて2種類の声を使い分ける。一つは「コール」と言い、仲間とのコミュニケーションに用いる。もう一つは「クリック音」と言い、用途はエコロケーションである。このクリック音の精度は非常に高いそうで、対象物の距離測定だけでなく、成分等も認識できる。
また、コールの種類が多様なことも特徴である。イルカと比較しても、より多様なコールを使い分けて、複雑なコミュニケーションをとるのがシャチである。シャチがイルカよりも知能が高いと言われる所以はここにあるそうだ。
このコールには方言があり、群れによって意味が異なる。赤ん坊は、まずお母さんの声を真似て発生方法を学び、その後は群れの他の大人たちのコミュニケーションを参考にして、何年もかけて声の練習をする。
だいたいこんな感じのことを聞いたと思う。楽しい講義だった!
本の感想「殺戮にいたる病」
- 概要
猟奇的殺人犯を追いかける、退職した元警部と殺人犯に殺された被害者の妹を中心としたサスペンス小説。
この小説を検索すると「イニシエーションラブ」がサジェスチョンとして表示されるのだが、最後まで読むとなるほどそういうことか…と納得する締めくくりである。
- 感想
残忍な犯行や、捜査のドキドキハラハラ感は面白いものの、猟奇的な犯人に全く感情移入ができず、読後の充実感があまり感じられなかった。
というのも、犯人は性的異常者であるのだが、彼の抱える、性的異常者へのきっかけとなった幼少期のコンプレックスに全く共感できなかった。
大抵のサスペンス小説では、犯人の異常さにドン引きつつも、どこか自分の抱える負の感情とオーバーラップする部分があって、犯人に対して同情や共感をする部分があるものだが、この小説では全く無かった。
恐らく、共感しなかった原因の一つに被害者が(ほぼ)すべて女性で、彼女たちが殺害後凌辱されるのだが、男性が持つ女性への征服欲のような欲望が、女性の私は理解できないことが挙げられるとは思うのだが…
Kindle版で500円出したのはちょっと勿体無かった。恋愛ものとサスペンスものは漫画で読む方が楽しいかな。